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Jenre

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水金 / 2013.02.09 (Sat)

一番よく聞かれる質問は、どうして水戸部の気持ちが分かるのか、ってこと。でもそれが俺にとっては当然だから、どうして、なんて言われても分からない。昔に一度だけふっと不安になって、もしかして俺の言ってることと水戸部の思ってることって違ってたりする? と水戸部に聞いてみたことがある。そしたら水戸部ははっきりと首を横に振ってくれた。だからそれ以来、俺は水戸部の気持ちを代弁している。でもたまに、敢えて言わないときもある。だってそしたらその気持ちは俺だけが独り占めできるじゃん?


緑高緑 / 2013.02.09 (Sat)

白い肌、その指先に光る短く均等に切りそろえられた健康的なピンク色の爪、完璧な比率の位置に備えられた関節、うっすら甲に浮かぶ骨と血管、なによりバスケットボールをしっかりと捉えられる大きさの手の平。緑間を構成する身体の各部の中でも一等、その手が高尾は好きだった。こんなに美しい手を他に知らない。見ていて飽きない美しさが、そこにはあった。神に与えられた賜物は、彼自身の努力によって最善の状態に仕上がっている。そして大好きなその手が自らに触れるとき、泣きたいほどの喜びが身体中を駆け巡るのだった。


黒黄 / 2012.11.07 (Wed)

身長の割に小さな顔にかかる髪は色素が薄い。それでも自分のそれとは違い、光をきらきらと反射して輝く。思わず目を細めると、くるりと金色が翻った。咄嗟に視線を反らす。別に見てないですよ。自意識過剰じゃないですか。嘆きを零した彼がまた前を向く。そして僕はただ静かに再びその輝きを見つめた。


火黄 / 2012.11.07 (Wed)

呼吸をするように優しい人に優しくされるのに慣れてしまって、最近少しこわい。自分がさして優しい人間ではない自覚はある。俺ももっとかがみっちに優しくしたい。試しに言ってみたら、それがもうすげー優しいじゃん、って頭を撫でられた。自然すぎる笑顔が眩しい。当分優しさで彼にかなう気がしない。


火黄 / 2012.11.07 (Wed)

時間を共有するに連れて、彼は優しさと甘さを惜しみ無く与えてくる。初めの頃こそ邪険にされたが、今はその影もない。しかし逆に黒子などに対しては、容赦が無くなってきているように見える。黒子よりも自分の方がよっぽどそういうキャラのはずだ。不安になって、自然な流れを装い、何故か聞いてみた。
「こう言うのアレっスけど、中学のときも今もよくどつかれてるから、慣れてるっていうか……でも火神っちは俺のことそういう扱いしないっスよね」「あー、そりゃ皆がおまえのこと好きで構ってんのは分かっけど、俺まで同じ構い方すんのは癪だろ。俺にしか出来ない方法でおまえを愛してやろうと思って」
聞いた俺の方がよっぽど恥ずかしくて、ずるずるとその場に座り込んだ。料理をしている途中の火神の声が頭上から降ってくる。でも今の俺には甘すぎて、まともに受け止めることが出来ない。俺はきっと、コンロにかけられた煮物と同じように、火神の手によって時間をかけてぐずぐずに崩されてしまうのだ。